志朗ニュース

志朗、ダニエルを破りISKA世界王座を奪取!

178-1

「どう攻めればよかったですか? ダニエルは前蹴りばかり。意外に首相撲が強かったので、ローを効かせていくしかなかった」
控室への道すがら、真新しいチャンピオンベルトを巻いた志朗はセコンドを務めた大月晴明に問いかけた。それだけ無我夢中で闘っていたということだろうか。
1位のダニエル・マッグウォーンと5位の志朗の間で争われた「ISKA世界ムエタイバンタム級王座決定戦」(1月10日、東京・後楽園ホール)は期待に違わぬ熱戦だった。1Rから志朗がローキックによって相手の下半身を削りに行けば、ダニエルは前蹴りで距離をとったかと思えば首相撲で試合の流れを奪いにかかる。
ISKA世界タイトルマッチはラウンドマスト方式で裁かれるため、どんなにシーソーゲームだと思われるラウンドでもどちらかにポイントをつけなければならない。その意味でジャッジ泣かせの試合だったかもしれないが、筆者の目には時間が経つにつれ志朗のローが効いてきたように思えてならなかった。
相手のアゴを自分の頭によって突き上げたうえでのヒザ蹴りなど、ダニエルは随所にうまさを見せつけ試合の流れをコントロールする場面も再三あったが、ジャッジはダメージが最優先されるべきだろう。
勝負を決定づけたのは4Rと5Rに志朗のローによってダニエルが効いた素振りをした場面だろう。断っておくが、この19歳のイギリス人は一度も痛そうな表情を浮かべていない。志朗同様少年時代からタイに渡り、武者修行を繰り返しただけのことはある。タイ最大のムエタイ&ボクシングプロモーションであるペッティンディーが外国人選手として初めてダニエルと契約したというエピソードにも頷かざるをえない。
そんなダニエルをしても、ローをもらうことで勝手に体が泳いでしまったのだ。もっとも、第三者と闘っている当事者の視点は大きく異なる。志朗の証言。
「1R後半の時点で、僕のローキックに嫌がっていたと思います」
5R終盤、志朗はバックヒジによって幻のダウンも奪っている。結局、レフェリーはスリップダウンと判断したが、記者席からみるとダニエルがダメージを負っているのは明らかだった。
判定は3-0で志朗。当初の予定では王者ディーン・ジェームスに志朗が挑戦するマッチメークだったが、ジェームスがケガを理由に王座を返上。そこでダニエルとの間で改めて空位の王座が争われることになったわけだが、世界を争うに相応しい試合内容だったのではないだろうか。試合後、志朗は世界チャンピオンになったことで、ようやくスタート地点に立てましたと安堵の表情を浮かべた。
「でも、僕の最終目標はムエタイ。タイではまだ目標を達成していない。今年は(グレードの高い試合が組まれやすい)ラジャダムナンやルンピニースタジアムの平日興行に出て、ランカーに勝ちたい」
世界チャンピオンになってもなお挑戦者。志朗の挑戦は続く。

文/布施鋼治 写真:早田寛

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